急な嗅覚低下で受診をお考えの皆様へ 

急な嗅覚低下で受診をお考えの皆様へ 

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 新型コロナウイルス感染の初期症状として嗅覚障害が急速にクローズアップされています。私が情報をキャッチしたのが数日前ですが、その日のうちにネットニュースに流れ一般市民の方でも知りえる情報となり、さらには感染が判明した有名野球選手の初期症状が嗅覚低下であったことも大きく報道されています。 

 

通常のかぜのウイルスやインフルエンザウイルスが嗅覚障害を起こすことは耳鼻咽喉科医の間では広く知られています。そのため新型コロナウイルス(COVID-19が嗅覚障害を引き起こすこと自体は特に驚きではありませんが、COVID-19の場合は特に症状が出る確率が高く、さらに鼻づまりなどほかの鼻の症状が出るよりも前にまず嗅覚障害がおこることが特徴のようです。ドイツでは2/3の方が嗅覚障害を訴えているという情報もあります。 

 

現時点での情報では急な嗅覚低下の場合、COVID-19の感染の可能性を念頭に置くべきと考えられます。ただ、そのような方が当院に受診された場合、周囲の患者様や診療所スタッフへ感染を広げてしまう可能性があります。また、通常の嗅覚障害での診察では鼻腔内を内視鏡で詳細に観察する必要がありますが、この処置によってもウイルス拡散の懸念があります。さらに、通常嗅覚障害に対して使うのは点鼻ステロイド液ですが、局所の免疫力を低下させてしまう副作用があり、COVID-19感染の可能性があるような状況では使用できません。 

 

つまり、急な嗅覚低下が主要症状である場合はCOVID-19の感染の可能性を念頭に置かねばならず、感染拡大のリスクを考えると詳しい診察や投薬もできないということになります。また、強い発熱や呼吸困難等の症状がなければ軽症の扱いになり、現状ではPCR検査の対象とはなりません 

 

 

 

以上より、当院での急な嗅覚障害の方に対する対応方針を下記に示します。 

 

・数日以内の急な嗅覚障害(特に、鼻水・鼻づまりなどその他の症状が目立たない場合)の診察は当院では行いません。 

 

・約1週間の自宅療養をお願いします。 

 

・自宅療養中に発熱が4日間続いた場合や、息苦しさなどを感じた場合は帰国者・接触者外来へお電話で相談し、指示を受けてください。(京都市:075-222-3421)

 

・花粉症の時期でもあり、「アラミスト」「ナゾネックス(モメタゾン)」「エリザス」などのステロイド噴霧薬を処方されている方は使用を中止する必要はありません。 

(これらはステロイドではありますが、全身にはほとんど回らないため安全性は高いです。むしろ鼻水やくしゃみが多い場合それが感染源となりえます。) 

以上の対応はイギリスの耳鼻咽喉科学会(ENTUK)から出された3月22日向けの患者さんへのメッセージの内容に基づいたものです。国内の大学病院等でも同様の対応をする動きがあります。

https://www.entuk.org/sites/default/files/files/Advice%20for%20patients%20with%20new-onset%20anosmia%20during%20COVID-19%20pandemic.pdf 

 

上記文書内にイタリアでは1-2週間で嗅覚障害が改善している人が多いとの記載もあります。ご不安に感じられることと思いますが以上をご理解の上、感染拡大予防のためご協力をお願いいたします。 

(注)上記内容は3月28日現在のものです。その後の状況により適宜変更する可能性があります。

 

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