小児耳鼻咽喉科

小児耳鼻咽喉科

小児耳鼻咽喉科について

当院では0歳児から診療を行っています。
子供の診療にあたっては体が未発達なこともあり処置や薬の処方で特別な配慮が必要だと考えております。

例えば免疫機能が未発達なため大人に比べてかぜから中耳炎や副鼻腔炎を引きおこしやすく、治癒までの時間が長くなることがあります。そのため耳鼻咽喉科での耳、鼻の病状把握が大切です。
当院では子供の診療について以下のような方針、特徴を持って取り組んでいます。

当院の小児診療の方針

次のような方針でお子様の通院、投薬の負担に配慮しています。

・予約システムの導入による待ち時間の軽減
・投薬はひとりひとりの症状に合わせて多くなりすぎないように
・必要最低限の通院回数で済むように


子どもはすぐかぜをひきがちですが、保護者の方が仕事や家事で忙しい中クリニックに連れて来られるのは大変です。着替えや靴をはかせるのにも、車や自転車にのせるにもとにかく時間がかかる。薬をもらっても家ではなかなか薬をのんでくれない。治ったと思ったのにまた調子が悪くなる…。なかなか思うようにはいきません。
私も3児の父として、子どもの体調不良による保護者の方の不安や負担が理解できます。ですので通院・投薬の負担はなるべく少なくできるよう配慮を行っています

例えば単に中耳炎と言っても抗生剤なしでなおるもの、むしろ抗生剤を多めにしっかり使う必要があるものなど様々です。保育園にいっているので1日3回薬を飲むのは難しかったり、錠剤のほうが好きな子だったりと、ご家庭の環境や子供の好みも可能な範囲で考慮しながら症状に適切と思われる薬剤を選択します

通院回数についてはできるだけ少なめで保護者の方の負担を減らしたいと考えていますが、中には再発や悪化を防ぐため細かく症状の経過を見る必要がある場合や、きっちり最後まで改善を見届ける必要がある場合もあります。

以上を基本方針として、できる限り早期の病状改善とご家族の負担軽減をめざして診療を行っています。

当院の小児診療の特徴


鼻水の吸引を重視しています
幼小児は鼻を上手くかむことができず、すすってしまったり、鼻が詰まったままになってしまいます。
鼻自体も狭いのに加え、鼻の奥にはアデノイドと呼ばれるモコモコした組織があり少しのことでも鼻づまりが強く出てしまいます。
早ければ2歳から鼻をかめるようになる子供もいますが、多くの子供は小学校に上がるくらいまで癖ですすってしまうようで、診察で鼻水をうまく外に出せていない子供をよく見かけます。

鼻がつまると口呼吸になり、のどが乾燥してのどの炎症を起こしやすくなりますし、鼻をすすると鼓膜にひっぱられる圧がかかり耳の状態が悪くなることもありますのでできるだけ吸引してあげる方が良いでしょう。
ご自宅でできる方はご自宅で鼻の吸引を行っていただき、難しい場合は耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
当院では保護者の方のお考えを考慮したいと考えておりますので「しっかりと鼻を吸って欲しい」「軽く吸って欲しい」などご希望があればおっしゃってください。


耳掃除も積極的に行っています
耳の中の皮膚はとても繊細です。ご家庭で無理に掃除しようとするとすぐに傷をつけて出血したり、かえって荒れてしまって分泌物がたまったりしてしまいます。
耳垢はほうっておいても多くは自然に排出されるのでご家庭で頻繁に掃除していただく必要はありません。鼓膜を破ってしまうトラブルも時々あります。むしろ気になるときは気軽に耳鼻咽喉科に受診していただいて取るのが良いと考えています
当院では高性能の顕微鏡で耳の中をしっかり観察しながら小さな専用の器具でつまみだしたり吸引したり、必要であれば耳垢をふやかす薬剤を使用するなどして掃除します。掃除の結果意外な中耳炎が見つかることも多いです。
耳掃除だけで行っていいのか迷われる方も多いようなのですが、上記の通りそんなことはありません。気になるようであれば遠慮なく受診していただければと思います。


耳の中の観察に内視鏡を活用することで小さな病変でも捉えられます。
子ども(特に小学校入学前までの時期)は中耳炎を起こしやすいので症状はなくても耳の観察は必ず行っています。耳の診察には内視鏡を活用しています。保護者の方にも病状をみていただけるのがメリットですが、それ以上に内視鏡を使うことで診断の精度が格段にあがります。
内視鏡を用いてモニターに大写しにすることで小さな病変でもはっきり認識できるようになります。実際外からのぞいたときには一見正常にみえたようにおもっても内視鏡で確認することで中耳炎の存在がわかることがしばしばあり、内視鏡の威力、光学機器の進歩を日々感じています。

また非常に細い内視鏡もあるので、鼻の奥の状態(特に鼻づまりの原因となるアデノイドの大きさ確認、副鼻腔炎の有無など)もそれほど苦痛なく観察することができます。